糖尿病で障害年金が受け取れる場合

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2022年11月14日

1 糖尿病と障害年金

 糖尿病についても、程度によっては障害年金の対象となる場合があります。

 また、糖尿病を原因とするその他の症状等を理由として障害年金の受給が認められる場合もあります。

2 糖尿病の障害年金認定基準

 糖尿病については、まずは「代謝疾患による障害」にあたるかという問題となってきます。

 認定基準は以下のとおりです。

 糖尿病については、必要なインスリン治療を行ってもなお血糖のコントロールが困難なもので、次のいずれかに該当するものを3級と認定する。ただし、検査日より前に90日以上継続して必要なインスリン治療を行っていることについて、確認のできた者に限り、認定を行うものとする。なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

⑴ 内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

⑵ 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

⑶ インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

 上記⑶の「一般状態区分表のウ又はイに該当するもの」ですが、イは「軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの」、ウは「歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%程度は起居しているもの」となっています。

 「なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。」とありますので、状況次第で3級以上の認定可能性もありますが、例えば一般状態区分エですと、自力での外出等がほぼ不可能な程度、オですと活動範囲がベッド周辺に限られるもの、となっておりますので、かなり重篤な状況でないと、2級以上の認定は難しいと思われます。

 糖尿病の認定基準は、比較的数値や入院頻度等が具体的に示されているためわかりやすいといえる一方、それなりに重い症状がないと認定を受けることが難しいといえます。

3 派生する障害

 糖尿病と人工透析は比較的密接な結びつきがあるといえます。

 人工透析となると、腎疾患として基本的には2級に認定されることになります。

 また、糖尿病性網膜症という、視力低下等の症状が生じる場合もあります。

 視力や視野が一定程度以下となった場合にも、眼の障害として認定対象となってきます。

 そのほか、糖尿病性壊疽といって、手足を切断せざるを得なくなること等もあり、上肢、下肢の障害となる場合もあります。

お役立ち情報
(目次)

お役立ち情報トップ

受付時間

平日 9時~21時、土日祝 9時~18時
夜間・土日祝の相談も対応します
(要予約)

所在地

〒221-0056
神奈川県横浜市神奈川区
金港町6-3
横浜金港町ビル7F

0120-25-2403

お問合せ・アクセス・地図

PageTop