気管支喘息で障害年金が受け取れる場合

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 湯沢和紘

最終更新日:2024年10月21日

1 気管支喘息の障害年金受給

 障害年金の認定基準上、気管支喘息も対象とされています。

 障害年金認定基準では、呼吸器疾患について、肺結核、じん肺、呼吸不全の3つに区分しており、気管支喘息は呼吸不全に区分けされています。

 そのため、気管支喘息で障害年金を受給できるか否かは、呼吸不全の認定基準に達しているかどうかがいつの目安となります。

 その他、障害年金受給にあたっての前提要件も満たしている必要があります。

2 初診日の特定

 気管支喘息に限らず、障害年金は、原則として初診日が特定されていないと、受給が認められないものとされています。

 そのため、まずは気管支喘息に関して初めて受診した医療機関に問い合わせ、初診日を明らかにする作業が必要となってきます。

 転院等をしており、過去の記録が残っていないような場合には、次の医療機関に問い合わせ、前の病院の初診がいつだったかを確認します。

 紹介状などがある場合、これによって初診日が明らかとなることもあります。

3 保険料の納付

 初診日までの間に一定以上の保険料の未納があると、障害年金受給は認められません。

 初診日の前に免除を受けている場合には未納と扱われないという面では老齢年金よりも有利といえるかもしれませんが、未納分だけ65歳以降の受給額が減るのではなく、一定の期間を超えると受給自体が認められないという面では厳しい要件ともいえます。

4 障害状態

 呼吸不全については、1級、2級、障害厚生年金についてはさらに3級の認定可能性があります。

 どういう場合に何級になるかについては、認定基準を読んでもはっきりわかるものではないかなと思います。

 例えば、呼吸不全の認定基準には、「呼吸器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績(胸部X線所見、動脈血ガス分析値等)、一般状態、治療及び病状の経過、年齢、合併症の有無及び程度、具体的な日常生活状況等により総合的に認定するもの」とされており、検査数値等から直ちに何級になると決まるわけではないとされています。

 総合判断における大まかな指標は3種類で、動脈血ガス分析値、予測肺活量1秒率、の2つと、一般状態区分表合わせた3種類です。

 2つの検査数値は軽度・中等度・高度に分けられ、これと、日常生活・就労制限に関するア~オの5段階の状態区分を組み合わせ、最終的な等級が定められていきます。

 認定基準上も「例示」とされていますが、例えば2つの検査数値がいずれも高度以上に該当する数値で、一般状態区分としてもオに区分される場合は1級等とされています。

 検査数値だけでなく、一般状態区分を決める日常生活についての診断書上の記載も、等級認定にあたって重要な要素となってくるといえます。

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