障害者年金

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 湯沢和紘

最終更新日:2022年01月28日

1 障害年金の呼称

 障害年金とは、一定の要件を満たす方が受けることができる年金の1つです。

 「障害者年金」等と呼ばれてしまうこともあるようですが、障害年金というのが正確です。

 障害者手帳等との混同があるかもしれません。

 年金の1つですので、国民年金(老齢年金)等と同様、一定額のお金を受け取ることができる制度です。

2 要件1~初診日~

 障害年金の申請で重要な要件として、初診日が特定できていなければなりません。

 初診日というのは、障害(お怪我やご病気)を理由として初めて医療機関を受診した日です。

 障害年金にも、老齢年金と同様に、基礎年金、厚生年金の区分があり、どちらを受給できるかについては初診日を基準に判断されることになります。

 そのため、初診日が特定できないと、どの種類の障害年金を受給できるのか明らかとならず、障害年金の申請が認められないことになってしまいます。

3 要件2~保険料納付~

 基本的に、障害年金の受給が認められるためには、国民年金ないし厚生年金を一定以上納付している必要があります。

 初診日を基準に、おおむね1年未納がないか、20歳になってから初診日までの期間の1/3以上の未納がないかのどちらかを満たしていなければなりません。

 実際の納付がなくても、所定の手続きを経て免除となっている期間は未納期間とは計算されない運用になっています。

 なお、年金の納付義務は20歳になってからですので、20歳前に初診日がある方の障害年金申請においては、保険料納付の要件は問題となりませんが、保険料を支払うことなく受給できることとのバランスから、収入要件が定められています。

4 要件3~障害の程度~

 上記2つの要件は、記録などからある程度はっきりとわかりますが、障害の程度については、個々の事情によって大きく変わってきます。

 例えば、「肘から先を失った」とか「矯正視力が両目で0.04以下」等、比較的わかりやすい障害の認定基準もあります。

 一方、難病や、精神関係の病気等は、症状の程度を医師の診断や生活状況から総合的に判断せざるを得ないため、見通しを判断することは容易ではありません。

 特に日常生活での支障などについては伝わりにくいため、申立書類等でしっかりと伝えておくことが重要となります。

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