知的障害の場合の障害年金における初診日
1 障害年金申請における初診日の取り扱い
原則として、障害年金の申請にあたっては、初診日を特定できていなければなりません。
初診日というのは、申請する障害に関しての最初の医療機関への受診日をいいます。
障害年金の申請手続きにおいて、初診日の特定はとても重要です。
まず、障害基礎年金か障害厚生年金かといった申請の種類を分けるのは、初診日時点で国民年金、厚生年金等、どの年金に加入しているかが基準とされます。
また、保険料納付要件についても、初診日までの納付状況で判断されます。
さらに、障害認定日についても、初診日を基準に判断される場合が通常です。
このように障害年金申請手続きにおいて重要視されている初診日ですが、実情として、この特定が難しく、結果として障害年金の受給が認められない、といった場合も少なからずあります。
この点について、知的障害については例外的な取り扱いとされています。
2 知的障害の初診日は証明が不要とされます
上記のとおり、障害年金申請において初診日の特定は重要であり、かつ困難な場合もある問題ですが、知的障害についての障害年金申請については、そもそも初診日の特定、証明が必要ありません。
知的障害の発生原因は、すべてが先天性、というわけではないようですが、遺伝子によるものや、母体の感染、出生時の低酸素等、出生前後の時期に生じるものが通常であるとされています。
他方、知的障害自体あるか否かがわかるのは、ある程度大きくなってからということも少なくありません。
こういった事情から、知的障害の障害年金申請について、初診日は出生した日と取り扱うものとされています。
20歳前が初診日となっている障害年金申請は、20歳時点を障害認定日とする20歳前障害基礎年金の申請になります。
この場合、20歳前時点では保険料納付の義務がないため、保険料納付要件もありません。
結果として、知的障害の障害年金申請は、障害の状態が障害年金受給を必要とする程度といえるか否かによって決まってくるものとなります。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金の相談窓口
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金申請の必要書類
- 障害年金の不支給通知が届いた場合
- 障害年金における社会的治癒とは
- 障害年金の配偶者加算
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金の納付要件
- 障害年金と老齢年金の併給は可能か
- 学生でも障害年金の支給を受けられるか
- 障害年金の種類
- 障害年金と生活保護の関係
- 障害年金を受給することによるデメリット
- 障害年金の支給日
- フルタイムで仕事をしている場合の障害年金の受給
- 障害年金受給中に新たな障害が発症した場合の対応方法
- がんで障害年金が受け取れる場合
- 知的障害の場合の障害年金における初診日
- 精神疾患の障害年金の更新時の注意点
- リウマチで障害年金が受け取れる場合
- 糖尿病で障害年金が受け取れる場合
- 双極性障害で障害年金が受け取れる場合
- 眼の障害で障害年金が受け取れる場合
- 失語症で障害年金を請求する場合のポイント
- 気管支喘息で障害年金が受け取れる場合
- ICDで障害年金が受け取れる場合
- 筋ジストロフィーで障害年金が受け取れる場合
- メニエール病で障害年金を請求する場合のポイント
- 額改定請求について
- 障害年金が支給停止となるケース
- 有期認定と永久認定について
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
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