学生でも障害年金の支給を受けられるか
1 学生の障害年金受給
学生だからといって一律障害年金が受給できないわけではありません。
もっとも、多くの場合学生は10代から20代前半ということになってくるかと思いますので、その状況で確認しておくべき点があります。
2 10代では原則として障害年金の受給はできません
障害年金は、年金制度の1つです。
「年金」と聞けば、たいていの方は、65歳になってから受給する国民年金、厚生年金を思い浮かべるのではないでしょうか。
これらは老齢年金と呼ばれる年金です。
老齢年金の方で考えていただくとわかるかと思いますが、年金制度は、国民から支払われた年金保険料から支給されるものとなっています。
そのため、年金制度の原則からすると、年金保険料の納付義務のない20歳前の方は、通常の場合障害年金受給の対象となりません。
あまり例は多くないかとは思いますが、例外として、10代で仕事について厚生年金保険に加入されていた方の場合で、障害年金の受給要件を満たすに至った場合には、受給できる可能性があるといえます。
3 20歳前障害基礎年金
障害年金の種類を規定する重要な基準として、初診日というものがあります。
これは、申請しようとしている障害年金に関して一番最初に医療機関を受診した日です。
この初診日が20歳前の場合には、通常、20歳前障害基礎年金の申請を行うことになります。
20歳前障害基礎年金の場合には、20歳になった日の前日が障害認定日とされています。
そして、20歳前の時点では保険料納付義務がないことから、保険料納付の要件は問題とされません。
そのため、学生であっても、要件を満たしていれば、障害年金を受給できるということになります。
4 20歳以降に初診日がある場合
20歳以降に申請する傷病についてはじめて医療機関にかかった、という場合には、通常の障害年金申請となります。
この場合には、保険料納付の要件を満たしているかの確認も必要になります。
保険料納付要件というのは、おおむね初診日を基準に(初診日の属する月の前々月から)①1年間未納がないか、②2/3以上の納付要件を満たしている、という要件のことです。
学生特例を利用してれば、学生特例期間中は未納期間と扱われませんので、納付要件の方は満たしていることの方が多いといえるかもしれません。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金の相談窓口
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金申請の必要書類
- 障害年金の不支給通知が届いた場合
- 障害年金における社会的治癒とは
- 障害年金の配偶者加算
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金の納付要件
- 障害年金と老齢年金の併給は可能か
- 学生でも障害年金の支給を受けられるか
- 障害年金の種類
- 障害年金と生活保護の関係
- 障害年金を受給することによるデメリット
- 障害年金の支給日
- フルタイムで仕事をしている場合の障害年金の受給
- 障害年金受給中に新たな障害が発症した場合の対応方法
- がんで障害年金が受け取れる場合
- 知的障害の場合の障害年金における初診日
- 精神疾患の障害年金の更新時の注意点
- リウマチで障害年金が受け取れる場合
- 糖尿病で障害年金が受け取れる場合
- 双極性障害で障害年金が受け取れる場合
- 眼の障害で障害年金が受け取れる場合
- 失語症で障害年金を請求する場合のポイント
- 気管支喘息で障害年金が受け取れる場合
- ICDで障害年金が受け取れる場合
- 筋ジストロフィーで障害年金が受け取れる場合
- メニエール病で障害年金を請求する場合のポイント
- 額改定請求について
- 障害年金が支給停止となるケース
- 有期認定と永久認定について
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
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